『SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ』を読んで
感想
スクラムマスターのあるべき精神が完結にまとめられた本です。
ページ数もそれほど多くなく、説明も端的でわかりやすいので読みやすかったです。
こんな人におすすめ
スクラムガイドを読んでスクラムの概要は理解できたものの、スクラムマスターとしてどう振る舞えばいいのかわからない人。
以下、印象に残った部分
心理状態モデル
全部なるはやで問題解決してチームを作業に戻したい衝動に抵抗できれば、「自己組織化したチームを作る」という目標に大きく近づきます。
僕が初めてスクラムマスターをやったとき、問題が発生するとすぐに割って入って答えを言っていました。
やがて、チームが次に何か問題に直面したとき、僕の指示を仰ぐようになりました。良くないことだったと反省しています。
たとえ最強のアジャイルコーチでも、1人で組織を変えることはできません。成功には、自己組織化したチームが必要です。ですから、スクラムマスターたちで構成されるチームを作るのが最良の出発点になります。
スクラムをやろうとしても経営に近いところにいる役職者の理解を得ることが難しいと日頃感じています。
たとえ正しいことでも1人でプレゼンなどの啓蒙活動をしていても、正論を押し付けるだけのようになってしまい、あまりいい反応が得られませんでした。
そのような状況でも志を共にする仲間がいれば力強いですね。
システム全体を俯瞰する。細かいプロセスにはこだわらずに何が課題かを考える。
コミットメントに苦労しているというチームをよく見かけますが、解決すべき課題はより低レベルの信頼の欠如にあるものです。
仕事では、KPTをやっているものの、あまり深堀りせずTryを考えようとするのでいつも対処療法になります。
議論を深めて根本原因を取り除こうとせず、議論を避けて無駄な作業を減らそうとしない雰囲気がチームを取り巻いているように感じています。
中には、チームにとって受け入れるのが簡単ではないプラクティスもありました。スタンドアップミーティングなどです。そのため、回数を減らすか、全部やめようとしています。
耳が痛いです…。プロダクトバックログリファインメントはちょくちょくスキップされます。
守破離の「守」でスクラムを体に染み込ませないまま、型を崩してはいけませんよね。
まとめ
内容は認定スクラムマスター(CSM)研修で学んだことと齟齬は無く、翻訳も丁寧で読みやすかったです。
読んで満足するのではなく、カイゼンに繋がるような動きができるよう、頑張らなくてはならないですね。
SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ